強ければ、効く?

 からだのコリや痛みの症状を緩和するには、マッサージなどの手技療法がとても有効です。そして、世界中に様々な種類の手技療法が存在します。 薬剤や機械を使用しない手技療法は「強い圧の方が効く」と思われがちですが、果たしてそうでしょうか?過度の強圧は交感神経を刺激し、 筋肉を緊張させてしまいます。つらい痛みの症状を緩和するために、痛い施術を我慢することによって、逆に筋肉の緊張を増幅させてしまうのです。

 「コリ過ぎていて強圧でないと揉まれた気がしない」という方もいますが、これはコリが強いのではなく、 筋肉自体が弱っていて圧を感じる受容器細胞が働いていない、という場合があります。そんな状態で本人(脳)が納得するまでの強圧を受ければ、 筋肉や筋膜・靭帯などの軟部組織が必要以上に破壊され、揉み返しなどの不要な痛みをはじめ、 ひどい場合には筋断裂や筋膜の硬縮などの症状を引き起こすことにもなります。
 ですから、マッサージなどの手技療法を受ける場合、あくまでも脳も体もリラックスできる「心地良い施術」を受けることが大切です。

 先人の知恵 心地よい禅の瞑想法

 江戸時代中期、500年に一度の高僧といわれた禅宗中興の祖、白隠禅師。彼は修行に精進し過ぎて「禅病」という病を患ってしまいました。 どんな名医も匙を投げる病状に、藁にもすがる思いで京の山奥に住む白幽という仙人に助けを求めました。そして仙人から伝授されたのが 「軟酥(なんそ)の法」という瞑想法でした。
軟酥とは、身分の極く高い人達のみが手にすることができる、バターの様な豊かな芳香と輝く光を放つ「万能の秘薬」といわれるものです。 握りこぶし程の大きさの軟酥が頭上から降りてきて頭頂部に乗り、体温で溶け出し頭から全身へと流れて行きます。 溶けた軟酥は体の内外を 芳香と金色の光で覆いながら、病の元や心の痛みまでも包み込み、足元へと流れ出て行く、というものです。

 このようなイメージで精神を集中させる瞑想状態に導く「軟酥の法」は、脳のα波を増幅し精神を安定させて、心を穏やかな状態に導きます。 また、α波は本来体の持つ自然治癒力を活性化させる効果があります。
 この「軟酥の法」を実践し、白隠禅師の禅病は瞬く間に回復しました。そして禅病に悩む若僧達を助け、医者に見放された多くの民衆を救ったと されています。しかもその後84歳で示寂という、当時としては驚くべき長寿を全うしました。

 心地よく治す 軟酥の整体法

 この先人の説く理にかなった健康法も、一般の人が実践するには多少の訓練が必要となります。外界から意識を遮断する集中力、 丹田に気を貯める呼吸法など、 一般人には少々敷居の高い「コツ」が不可欠です。
   そこで、自然に逆らわず、体に無理なく免疫力を高め、自然治癒力を促進する瞑想健康法を、特別な訓練を必要とせずに実践するために考案されたのが 【軟酥の整体】です。
 施術中の体への負担を最小限に、脳をリラックスさせ筋肉の緊張を緩和する副交感神経を優位にしながら痛みの原因を取り除いていく優しい施術は、 厳しい精神集中や難しい呼吸法などを意識することなく、ただ「寝ているだけ」で軟酥の法と同様の効果を体感することができます。筋肉と対話しながら ゆっくりと無理なく緊張を解くことにより、表層のコリはもちろん、深層に隠れているコリや血流の滞りにもアプローチします。施術中の患者さんの脳波は α波が増幅され、脳と筋肉のリラックスが同時に進行します。
 まさに「禅の瞑想」を彷彿させる、心地よさと症状緩和を両立した、世界でも類を見ない優れた手技療法、これが【軟酥の整体】です。